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“おいしそう、そしてキレイ”
三 木: 本日は、宜しくお願いいたします。
鈴木氏: 宜しくお願いします。
三 木: タイコードーさんは、和菓子でも専門店から量販店、コンビニと幅広くパッケージデザインを手掛けていらっしゃいますよね。
最近の和菓子の傾向は、ざっくりいうとどのような感じでしょうか?
鈴木氏: 見た目は、まず見て「おいしそう」なのが大事。そして、「きれい」ですね。菓子の色や形がきれいということ。若い人には、「きれい」「美しい」よりも「かわいい」感じがうけます。だから最近の職人は、そのようにシフトしています。和菓子というと昔は、どちらかといえば中年好みでしたが、今は若い方も興味を持ってくれている。「かわいい」のとらえ方も幅が広く「素敵」も「かわいい」で表現するし、いろいろあるけれど、何しろ見た目がおいしそうだということが1つのポイントです。そのために、パッケージデザインをどうするか、やはり商品イメージに合う物をつくっていかないといけない。商品イメージに合わせた色や柄を使って、中身とかけ離れないようにします。
あと、最近の和菓子自体の傾向でいうと、チョコレートが流行りなんです。その前まではカスタード、バターなどの商品もあった。和洋折衷になってきてますね。
三 木: ミックスされている方が人目を惹きますよね。
鈴木氏: でも、京都辺りのお店はあまり新しい物をやりたがらない。
古い伝統を守っていく中で少しアレンジするという事はありますけど。
三 木: それは、東と西では違いますか?
鈴木氏: 東、西というよりも、京都とその他の文化の違い。京都は、進歩的なところもありますが『鶴屋吉信』さんは、昔からの伝統を守っていますね。
カステラの『福砂屋』さんは、カステラだけにこだわっていたけど、最近は小さく切った物をつくったりしている。
三 木: 中身が変わらなくても小型化したり、各シーズンごとにパッケージをつくる。例えば入学などのシーズン用もパッケージで見せるというのはおもしろいですね。
鈴木氏: コンパクトにすることで手間もコストもかかりますが物によってはそういう物もつくっていかないといけない。
ただ、小さくすることで味が変わってしまう物も中にはあります。
作業の中で味の保持といいますか、小さい物は早めに固まってしまうというようなことが味に関係するのかもしれない。
三 木: クライアントの要望に応じてパッケージを考える際、御社のデザイナーさんがヒアリングして行っているのですか?

鈴木氏: そうですね。昔は、私が営業の時は自分自身が先方に行って話をしていましたが、最近は、デザイナーが直でやる事が多い。その方が早い。デザイナーがある程度営業みたいな事もします。そのためには、それまでの過程がありますよね。店の雰囲気とか、店の周りの環境とかを見た上で話を進めます。都会型の場合は、都会型のセンスが必要ですし、地方に行くとローカル的な物が売りだったり、観光地なら、史跡の名前を使うとか、名前とも関係があるんですね。ある程度ネーミングに合わせた形でやっていくし、先方がどうやって売りたいのか、どのように商品にしていくかを聞きながら合わせていく。社内のデザイナーは、自分で行って話をして、場合によっては自分の意見も言って、先方の意見と自分の意見と両方デザインして見比べてくださいとやると、意外と「そっちの方がいいね」となる。一切任せてくれているところもあるし。そこら辺はクライアントとの接触の仕方ですよね。
三 木: お店の雰囲気は、お店がある場所や、老舗であるとかそうでないとかなども関係ありますか?
鈴木氏: そうですね。
その店の雰囲気と置いてある物が合っている方がいいですね。古風なところにあまり奇抜な物を置いてもよくないし。だからデザイナーもデザインする前にそのお店を調べる。他の商品と並べた時のコントラストもありますよね。それだけ浮いてもいけないし。
三 木: お菓子は、味とか素材も大事ですが、やはりイメージ商品ですよね。
特に和菓子の場合は。どのようなパッケージで、どこで売っているかというところで、皆さん買っていく事が多いので。
鈴木氏: 和菓子がパッケージになったのは、昭和40~50年代あたりからです。この間テレビ番組「カンブリア宮殿」で放送していたんですが、『叶 匠壽庵(かのう しょうじゅあん)』さん。先々代が画期的な形で包装紙をつくったんです。辻が花のような着物の柄を主体にした包装紙をつくり、封筒に出来るような物もあって、お人形さんの着物に包装紙を使ったり。
三 木: それだけ和菓子のパッケージは、イメージが大事ということですね。
どこの国に行っても、こんな立派なパッケージに入っているお菓子はないですよね。手土産の箱とかパッケージにこだわるのは、日本文化なんだなと感じます。包み紙やヒモ、そういう物にすごくこだわりを持ってつくっていらっしゃるから、まさに日本文化を表現するところの最前線にいるなと思います。
鈴木氏: 昭和50年の高度成長の時代、地方の人が東京に働きに来て、お盆や正月に国に帰る時にお土産を持って帰る。それまでは有名店のお菓子を持って帰っていたのですが、だんだん東京も拡大して郊外に住んでいる人が増えると、自分の住んでいる郊外のお店のお菓子を買って帰る。郊外に名を連ねるお店が増えてきているので、成城なら成城のお菓子屋さん、自由が丘なら自由が丘のお菓子屋さんという方がかっこいい。では、そういう郊外のお店がお菓子を売っていくためにはどうすればいいのか。都心のお菓子はネームバリューがあるから名前である程度売れるけれど、ネームバリューがない郊外のお店は、パッケージや包装紙がポイント。地方に持っていったところで「きれいなお菓子、どこのお菓子?」としたい。という事で結構そういう仕事が多かったです。



タイコードー様が手がけたパッケージ・掛け紙・包装紙

三 木: お菓子は、食べるだけではなく開けて見る楽しみもありますよね。
鈴木氏: 本来は栗を1つ入れた栗饅頭が多いのですが、これと羊羹を一緒に入れるのに、同じ形のパッケージだと箱に入れやすいんです。
三 木: 大箱にいくつも詰めて。
鈴木氏: 6個入れたり、2列にしたり、互い違いに入れると見た目がきれい。
栗饅頭を10個もらうよりは、詰め合わせの方がいろいろ食べられて喜ばれる。
三 木: お店全体の中でどう見えるか、箱に入れてどう見えるか、いろんな見せ方がありますね。
鈴木氏: デザイナーも単品で発注がきた場合、詰め合わせで販売するのかを聞きます。もちろん単品でも詰め合わせでも売ると言った場合は、この商品を詰め合わせにすると色が飛んじゃいますよとか、他の色の物を一緒に入れた方がいいなどアドバイスもします。1個だけで見るといいけれど、派手な物が10個入るとそれだけでお腹いっぱいになってしまう。
三 木: 周りにある色との関係でよくも悪くも見えてしまう。実際の詰め合わせを想定しての色選びが必要なのですね。
鈴木氏: あと、品物も昔と比べて量が出なくなりました。ちょっとした土産でも5個ぐらい。
法人さんが使わなくなってきたので、大量に動かなくなった。普段買うものにしても以前は、自分だけしか食べなくても2個、3個は買ってくれていたけれど、今は1個だけ買う。
コンビニの和菓子のパッケージもやっていますが、大福や団子などの普段自分で買って食べるお菓子のパッケージが中心なんです。
三 木: 自分が買って食べる。手土産ではなくて。
鈴木氏: 今から2~3年前の我々業者の新年会の時に、お得意様の奥様に1個入り進物用のパッケージを一緒に考えて欲しいと要望があった。普通のお菓子で1個というのは、ちょっと難しいですけどね。コンビニで1個買えるでしょ、それが浸透してしまって、和菓子屋さんでも1個で買えるとなって。あとお土産だと日持ちしないと買わない場合が多いんです。和菓子は生鮮食品みたいなものですね。
三 木: 今新しくオープンする施設には、必ず和菓子系の新しいタイプのお店が入っていますね。例えばバスタ新宿も小さい練りきりがパッケージされているものがあって、すごく売れている。
また違う動きもあるのかなと思っています。企業関係のおつかいものにならなくても、バレンタインも今、友チョコと自分の味見用に買うんですよ。今後、自分用に買っていくことが増えていくかもしれない。ボリュームは少ないかもしれないけど、いい物をちょっとだけというのはありますね。

“和菓子に見る新しいムーブメント”
鈴木氏: これは尾道のお得意様のですが、桜の季節や夏など。これは5月の節句の物。
これは、うちの既製品で売っている物です。季節の掛け紙はあまりいっぺんにたくさん使わないから、毎月毎月の物をやりましょうと、1年を月ごとにやったんです。これが5月の皐月の菖蒲、これが6月の水無月ということでアジサイ、7月の朝顔、8月の花火とか…1年やりました。



タイコードー様による季節の掛け紙

三 木: 大きな箱があって、小箱があって、箱を閉じた時の掛け紙も、包み紙もあってすごいですね。
鈴木氏: ある意味、歳時記になっているんですね。24節気ありますよね、それをこういう物にする、お菓子も同じ月でもつくる品物が変わってくる。さらに3等分した72節気もある。それを1つずつ違うのもをつくる。それはすごいですよ。
三 木:

「季節を映しとる」ですね。練りきりでも、いろんな切り口でやっていますよね。商品で出すときだいたい5、6種類ぐらい出しますよね。すべてタイトルを付けて。季節を多面的に切り取るみたいな。水とか花とか植物とかすべてお菓子に写し取っていき、タイトルまでつけるというこの文化はすごいと思います。職人さんも女性の方も増えていますが、男女を問わず若手職人の方の色使いは、今までなかったブルーのグラデーションや見たことのない色を使ったり新鮮ですね。優しい感じだったり、かわいかったり、ロマンティックだったり。本当に楽しい色使いが多いと思います。


日本菓子協会東和会 作品

新しい考え方も出てきているので、 練りきりの世界でも。広尾の山種美術館(やまたねびじゅつかん)は、季節の練りきりをカフェで置いていて、ひまわりみたいな物もありますね。青山の和菓子屋さんが入れているみたいです。美術館の展示しているものとコラボもしたりしていておもしろいですね。
御社のHPにも重ねの色目とか伝統色なども載っていますね。

 
山種美術館のカフェの和菓子

鈴木氏: そうですね。伝統色というのは、日本の色々な品物に使われている色ですよね。例えば、『藍』『茜色』とか名前がたくさんあり、同じブルーでも『鉄色』『紺色』と色々あります。
三 木: 色の名前だけでもきれいですよね。色からパッケージや商品をつくる事はありますか?
鈴木氏: 無くはないです。『紀の國屋』さんというお菓子屋さんが多摩にありますが、ここはお店の色を、モスグリーンのようなちょっと沈んだグリーンを基調にしています。それと合わせようということで、パッケージもつくりました。
三 木: 和菓子のパッケージで使いづらい色はありますか?
鈴木氏: どのような色がいいかというと暖かい色。
比較的使いづらい色は紫、鼠色、焦げ茶
こういう色になると食べづらい。
三 木: これは立夏で空とか若葉とか写しとって、素材もいろいろ色を使っているのでしょうけど。こういうのは新しいと思う。
鈴木氏: 今は、練りきりで使える色も人工着色を使うことが多い、昔は天然の色でつくっていたから、色が限定されていた。今でも天然にこだわっている方もいますけどね。 お菓子の色を上から筆で書くのではなく、練り込んでいくんですからね。
三 木: これは、羊羹状みたいな物を入れていくので、半透過した色で見せるというのが面白いと思って。
「はっきり」「くっきり」というよりも、底がグラデーションになっているようなぼんやりしているような…
鈴木氏: 和の奥ゆかしさですね。
三 木: この色使い。このグリーンを入れるところが新しい。

 

鈴木氏: 洋菓子は原色に近く、海外の色ですよね。日本独特の和菓子の場合は、原色よりも自然色を使って。もう1つは『包む』。洋菓子は上へ上へと飾っていく。下がスポンジでその上にクリームをつけたり、果物を乗せたり、デコレーションしていく。和菓子は中に入れ込み、包む。包む文化ですよね。色を中に閉じ込めたり、品物も外に出さずに、梅の甘露も上に乗せるのではなく中に入れる。中に入り込んでいくという文化が和菓子にはある。割ってみるときれいな色が出てくる。外の色と中の色が違ったり。
三 木: その様な中での新しい和のムーブメントとういうのは色使い。紫とか青とかを一部使ってみたりして、お菓子自体も使っていく。
鈴木氏: 若い方がどんどん使い始めている。紫を使わないというのは昔の職人さんで、我々の包装も最初はそういう色を使うと「こういう色は和菓子には向かない」と注意されたけど、今の方は平気で使い、またそれが逆にうける。
三 木: 和菓子もこれまでとは違った見方やとらえ方をする人が出てくると思います。
今は、ジャンクなものも含めて色々手に入るけど、和菓子は、ヘルシーで安全ですし。
鈴木氏: 和菓子は植物性の素材ですからね。みなさん甘い物を避けるけど、炭水化物から出る糖とお砂糖の糖と質的にちょっと違うんですよね。だからお砂糖を食べたからといってそんなに糖が増えるわけでもない。ただ、糖が足りない場合は、それで補う事ができます。和菓子振興会という会があって、砂糖屋さんも一生懸命やってくれていて、年に何回か全国の幼稚園にお菓子を提供しています。ある程度限定してやっていますけど。子どもさんにお菓子を食べてもらい、小さい頃から和菓子に慣れてもらう。
三 木: この様な季節をみんなで楽しめるものを提供できればいいですね。
今のおふくろの味は、親が戦後生まれの60代なのでハンバーグやカレー、シチューがおふくろの味になっている世代です。
そうするとお家でおはぎや季節を反映するお菓子をつくらない。その文化をお母さんやおばあちゃんから子どもに伝える機会がないなら、そこを年齢問わずいろんな人たちに「見直して楽しもうよ」というのを、私たちこの世界の人間としては提供したいなと思っています。四季折々の暦があってそれを楽しめる。いつものお菓子ではなくて、「今日は」とか「今月は」とか、ちょっとしたことで気持ちがワクワクしたり、楽しいですよね。

私たちも和菓子を通じて日本文化を見て、味わえて、この和菓子を大事にしたいと思います。私たちも彩りを生活にどう活かすかという検定も実施しているので、これからはそこに取り入れたいと思っています。
鈴木社長、本日はどうもありがとうございました。
 






株式会社タイコードー 
代表取締役 鈴木 士 氏

1981年 東京都台東区にて友人と共同で株式会社大光堂を設立する。
1990年 会社の商号を株式会社タイコードーに変更。
1993年 同社代表取締役社長に就任。現在に至る。

◆全国和菓子振興会会員
◆東商第3ベンチャーグループ会員

<株式会社タイコードーHP> http://www.taiko-do.co.jp

 


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