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HP対談企画

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対 談 後 編
(前編はこちら)
“個人で情報を受け取り、発信する時代”
三 木: 前半の対談で、MTプランニングさんの活動の中で、私たちの生活を支えるインフラに関わる情報デザインについてお話を伺いました。
三澤氏: 防災や交通システムでは、管理者が、容易に、確実に操作できるよう、情報をデザインしていると紹介いたしました。

一方で、スマホの利用が拡大し、小さな子どもからお年寄りまで、みんなが手のひらの中に情報を握っている時代となりました。多様性の幅もぐっと広がりました。おじいちゃん、おばあちゃんになって、目が見えづらくなることも含めて、色覚の多様性にもっと配慮して、デザインする時代に突入しています。

 

三 木: そうですよね。
行政や企業などから提供される情報も、手のひらの中で選ぶ時代になっちゃったんですもんね。
三澤氏: さらには、だれもが発信できる時代になっています。TwitterやFacebookや個人ブログには、色覚をめぐる違和感について、「これ困ったな」「こうだったら良かったな」というつぶやきが、たくさん発信されています。
三 木: ひとりで悩みをつぶやく場面も増えているのですね。
三澤氏: これは、困っている人たちの声が聞ける状況になった、ということです。
日本では、20人に1人の男性が色弱などの色覚特性をもっているといわれていますので、約300万人。そばには、お母さんやお子さん、お友達、仕事仲間などがいます。周りの人たちも、「困ったな」「どうしたらいいのかな」と発信しています。
色覚についての情報や知識を得る機会があれば、考えるきっかけになりますよね。
“自分の色覚を知る機会がない”
三 木: 個人が情報を受発信することが増えていますね。色覚にも多様性があることを知らないと、情報が伝わらないこともありますね。
三澤氏: そうです。そのためにも、生活の中で色を楽しみながら、多様性について自然に学べる機会があるといいですね。知ることができると、いろいろな配慮ができるようになりますね。そういった学びの場というか、コミュニティのようなものが欲しいな。
三 木: おっしゃるコミュニティ、分かる気がします。
たとえば、年を取ったら誰でも見づらくなることは、理解しやすいので、色を教えるときも話しやすいし、またみんな聞きたがるんです。でも色覚の多様性については、お互いがどのように見えているのかということをオープンに言える場が、まだ少ないですよね。
濱 氏: 企業の取り組みとして、色の多様性に限らず、「何か困ったことがあったら意見をください。商品開発に活かします」といったサイトに出会うようになりました。ゆっくりですが、徐々に、そういった課題や悩みへの配慮がされるようになってきていると思います。社会全体が、もうちょっとだけ、多様性に関心をもち、気づきを得る機会があったら、心豊かな方向に向える時代になると思います。みんなが入りやすいコミュニティを創れたらいいですね。それは、実際の空間かもしれないし、オンライン上のプラットフォームかもしれない。
いずれにしても、みんながつながることによって、情報を共有し、新しい発見や発明ができたらいいなと思います。
三 木: 自分はほかの人と違った色覚をもっているということを知ることができたり、そのことを気軽に話せたりできる場やタイミングがあるのとないのとでは全然違うと思います。気づいていない人も多いですね。
三澤氏: 生まれたときから見ている色の世界だから、みんなそうだろうと認識していると思います。
三 木: 周りが知識をもっていたり、本人が気づいたりする機会がない限りは、色覚には多様性があることも知らないままでいる。それがもったいないなと思っているんですね。



色覚特性による見え方の違い ※スマートフォンアプリ「色のシミュレータ」で撮影
上:メイクの見え方 左:C型(一般型色覚)  右:P型(1型2色覚)
下:ブロックの見え方 左:C型(一般型色覚) 右:P型(1型2色覚)

“色と形と言葉をつなぐ”
三澤氏: スマホのゲームでの例ですが、色分けされたキャラクターの違いがまったく分からない、みんなどうして見分けているのかと疑問に思ったら、実は、そういう色覚特性をもっていたと判ったというお話もあります。デジタル体験から、「困ったな」「よく分からないな」「なんか変だな」という当事者ならではの違和感に気づきます。
その時、その違和感を調べるとしたら、どういう項目で検索するのかな?
そもそも、色覚っていう言葉は知られている?・・・。
三 木: 知られていないですよね。
三澤氏: 「色覚多様性」「色覚特性」「色弱」という言葉を知っていれば、カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)さんのサイトなどにたどり着けますが、実はこの検索用語自体を知らない人が多いと思います。

若手社員に聞いてみたのですが、「自分がいつもと違う赤いお洋服を着て、彼の反応を見ようと思った。『ステキでしょ?』って聞いても、全然反応していない。どうする?」と、聞いたら、『彼氏 ファッション 無反応 なぜ?』って、検索するかも、と答えたのです。

色にまつわる用語や、色のイメージを相手に伝えるための言葉が、とても大事なファクターだなと思いました。だから、「色覚」や「多様性」という言葉を、楽しみながら知っていくような学び合いができないかな、と思うんですね。
三 木: いろいろな色遊びをしながら、色分けで時間がかかるとか、分けきれなかったとか、気づく機会があるといいですね。若者や子どもたちは、色覚検査を義務付けられていないので、進路を選択した後で色弱であることが分かるということがあるんです。それがもう少し幼い頃の段階で分かるといいのかなと思います。
三澤氏: 色の知識を、楽しみながら身に付けていく体験を、早い頃にやったほうがいいと感じますね。
たとえば、色の名前や言葉から連想するような色遊び。
濱 氏: 色に深く興味をもったり、名前に詳しくなるのは素敵ですね。
自分の色覚特性に気づいたとしても、多様性をあたり前に尊重できる、お互いがさりげなく支え合っていけるようなしくみをつくりたい。
形や色といった視覚情報に、言葉も吟味して、補助できるしくみができないか考えているところです。

 

“知ることで世界が変わる”
三澤氏: 色覚の多様性をもっているデザイナーって結構いるんですよ。
色の名前はRGB値、CMYK値など数字や番号で表せます。デザインで色を選択する時にも、数字を入力したりします。色の数値ルールが分かると、色覚に特性があっても、同じ色として認識し合うことができるんですよ。
三 木: それはCUDOさんもおっしゃっていました。多様性の中で互換性をもつために必要な色の体系。数値や色の分布図などを理解できると、いろいろな色覚の人が、今、この辺の色のことを話しているのだと、分かり合えるし。
私たちも、勉強会で、誰もがわかる色を選ぶにはどうしたらいいのか、色の表の中でコントロールしようとしました。色彩体系が分かっていると、翻訳機として使いやすいですね。
三澤氏: 色の属性を理解できて、コミュニケーションの道具として、遊んでいるうちに、学べちゃうといいですね。
三 木: 楽しみながら色について学ぶって、いろいろなアプローチがありますね。デジタルもアナログもあり、ツールや方法を選んで、未知の世界を楽しむようにできるといいですよね。
濱 氏: スマホには、アクセシビリティ設定というものがあり、画面表示のカラーやテキストサイズをカスタマイズできます。色覚のタイプによって、カラーフィルターをかけたほうが見やすくなります。デフォルト画面とフィルタをかけた画面を比較をすると、画像やアイコンをつくるときに、配慮すべき点が解かると思います。


iPhoneのアクセシビリティ設定でP型(1型2色覚)のカラーフィルタをかけた画面
三 木: コントロールの方向性が見えてきますよね。
三澤氏: 1回試してみると、なるほど、と納得できると思います。
三 木: 知らなかった色覚を、まず実感できるか、ですね。
スマホを利用したり、バリアントールを体験したりすることで、見えている色がこんなに違っていたのね、と実感できるといいですよね。
濱 氏: 体験会は多くの人にやってもらえたらいいと思いますね。
デザインに関わる人は、絶対に体験したほうがいいと実感しています。生活の中でも、家族や友達が、見えている色を知るきっかけとして、体験の機会が広がっていくといいなと思いますね。
呼びかけやきっかけづくりとして、プラットフォームでお知らせができるとか、色の話題が集まる場をつくりたいなと考えています。
三 木: MTプランニングさんはWebデザインやコミュニティづくりが得意なところだからそういう切り口で考えられるでしょうし、私たちは、具体的に色を楽しむ方法とか、普段の生活の中の色の悩みに応えていかれるように考えていきたいですね。
“生活の中で、楽しみながら学ぶ”
三澤氏: 生活の中、例えば、食事。
色とりどりの食卓を用意しても、色覚によっては反応が薄い可能性はありますね。緑の葉物の中にミニトマトの赤でアクセントをつけたとしても、赤も緑も似たような茶色に見えている色覚の人もいます。
そういう見え方もあることを知っていれば、黄色や紫のミニトマトを選んだり、断面が星形のオクラを入れたりすれば、楽しくなると思います。おいしそうに見せるってすごく大事なことだなと思うし、知識として色覚のことを少し知っていれば、工夫できることがたくさんありそう。
三 木: もっと言うと、お料理の仕方も、食材の選び方もあるでしょうし、よく聞く悩みは、焼き肉の焼き具合が分からないとか。ゆで上げたグリーンの変化が見えない、焼き加減が判からないこともあると知っていれば、楽しく安全な食について考えることが、生活の中の色としてもとても大事になってくるかなと思います。
三澤氏: ライフケアカラーはまさにそういうことを学べるカリキュラムですよね。
三 木: ありがとうございます(笑)。栄養素を色で分けて、 バランス良く食べましょう、ということをやっていますけれど、実際問題、赤が見えづらいとなかなか、彩りよく選べないとか、選びづらいとかあるわけです。
三澤氏: 「色のシミュレータ」というアプリケーションがあります。カメラをかざすと、対象物の見え方が色覚別に分かるアプリです。子どもたちと一緒に使ってみました。色覚の違いによって、同じトマトが、こんなにも違って見えることを実感できました。シミュレーションを体験すると、インパクトが強く、認識しにくい色があることへの理解がぐっと進むことを家族で体感しました。
濱 氏: もしかしたら、クラスのお友達にそういう色覚をもった人がいるかもしれない。親子で見え方の違いを体験していれば、理解が深まりますね。
 



色覚特性による見え方の違い ※スマートフォンアプリ「色のシミュレータ」で撮影

三 木: 便利な時代になって。お子さんと食卓を囲みながら、気楽に、スマホで「今日のサラダ見てみようか」と。「こうだね、そうだね」と会話を楽しみながら、理解を深めるやり方もあるのですね。
三澤氏: ファッションや食事など、一つ一つのリアルな世界で、色覚の知識を付けていくしくみができれば、世の中もう少し良くするための発想も広がっていくと思うんですよね。
三 木: みんなができるカラーエデュケーション、楽しみながら色に触れて、お互いを知り合える機会を創っていく。私たちならばそういうお手伝いができるかなと思っています。
三澤氏: 色の楽しみ方を紹介して広げながら、少しずつ知識を浸透させていく。共感しながら個人が成長していく形にできたらいいですね。
三 木: 本当にそうですね。
カラーとデザインがどれだけ生活の中で楽しめるかとか、活かせるとか。もしくは本当に、自分たちの生活を守っているとか、そういうところを知る機会、楽しみながら知る機会。
前回のインフラの話もそうですけれど、意外と知らないこともたくさんある。家族として、地域として、みんなが多様性と色を知るいい機会があるといいですね。
三澤氏: 色とデザインの学びの場。
三 木: 学びの場。もしくは、楽しく語れる場。
場づくりですね。それが大事ですね。
三澤氏: まずはそこから、ですね。
三 木: では、私たちはその場づくりをご一緒できたらと思います。
今日はどうもありがとうございました。
三澤氏:
濱 氏:
ありがとうございました。
 

 

エム・ティ・プランニング株式会社  http://www.mt-planning.com/
対談を受けて、色とデザインの学びの場、楽しく語れる場を創るべく、<イロノハ・ラボ>を計画中です。
和菓子や野菜、地図やお絵かき、画面の中の情報などの色をテーマに取り上げて、「観察」しながら、知識を学び、他の人の見え方を「イメージ」して、心豊かになる「工夫」をしていく場づくりを検討しています。
 


 

 

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