恐竜のような鳥について
2021.7.26
梅雨も明け、連日の暑さに「さて、今年はどこまで気温が上がるかな」とぼんやり考えている藤色です。皆さまお暑い中如何お過ごしでしょうか。
さてさて、今回は恐竜のような鳥、「ヒクイドリ」について取り上げます。
ここ最近、スズメなどの鳥類が恐竜にとても近い子孫のようなものである、という話をちらちら聞きます。朝に夕にチュンチュン鳴いているスズメの先祖が恐竜とは、あの愛くるしいフォルムからはなかなか想像できません。
が、オーストラリアにいる飛ばない鳥「ヒクイドリ」を見ると、そんな思いは一変します。
スズメではなかなか想像しにくかった「恐竜らしさ」をこれでもかというほど持っているのです。
まず、ダチョウと同じ走鳥類ですが、どちらかというとエミューに近い鳥です。
結構重い鳥で、メスは50㎏以上ある鳥です。なのにだいたい時速50㎏で走ります。
身長は1.5~1.9m、シルエットはダチョウのようですが、ダチョウよりはズングリむっくりとしています。
胴体部分は黒い羽毛に覆われているのですが、ここが唯一可愛らしい部分といっても良いかもしれません。トサカは骨質で硬く、真っ赤な肉垂があります。蹴爪は3本あり、爪は10㎝くらいで、鳥というより恐竜のようで、この蹴爪で蹴られると、ただじゃすみません。
そして、この鳥の一番のポイントは頭頚部の色です。
なんとこの鳥、頭頚部が青いのです。
「青っぽい」や、「緑」ではなく、まさに青。
「どう進化したら、そこまで青くなるのだろう?」と思えるくらい、鮮烈な青色なのです。
ただ、すべてが青いわけではなく、後ろ首は綺麗な黄赤で、この後ろ首と他の青い皮膚と赤い肉垂の対比がとてもとても綺麗で、一目見たら忘れられないインパクトを与えてくれます。
この頭頚部の、天然なのに奇跡のような美しい配色と、恐竜のような蹴爪やトサカなどの全てが「ヒクイドリ」を彩る要素となって、私は惹き付けられて止みません。
「ヒクイドリ」を見ていると、「恐竜ももしかしたら色鮮やかだったかもしれない」と思いを馳せてしまいます。
そんな鳥と恐竜の繋がりをより強く感じる鳥、「ヒクイドリ」。
一度はこの目で見てみたいものです。