オリンピックの競技会場を「色」でチェック!
2021.8.9
こんにちは。ピーコックブルーです。
暦の上では早くも初秋。
まだまだ厳しい残暑は続くのでしょうが8月もお盆を過ぎてくると気持ちだけは秋色に…って感じですね。
コロナウィルスの感染拡大の中で終わったオリンピック。
この状況下でベストを尽くして闘ったアスリートの方々からは多くの感動を受け熱い想いもテレビを通して共有させてもらえました。
次に舞台が移っていくパラリンピックも引き続き、無事に閉幕をと願うところです。
さて今回も先月同様、オリンピックから色の話題を少し。
それは東京オリンピックの競技会場の色使いについてです。
そのひとつは柔道の会場。
「赤」の床に鮮やかで明るい「黄色」の畳が使われていました。
柔道が初めてオリンピック競技となった1964年の東京オリンピック。
この時は、白一色の柔道着と天然の緑の畳だったようです。
2004年アテネ大会ではアイボリー(象牙色)の畳、2012年ロンドン大会で場内が「黄」、場外が「赤」という鮮やかな組み合わせになり、2016年リオ大会も同じに。
今回東京大会では当初、場内を「青」の畳、場外を「赤」という新たな色の組み合わせにする予定だったとのことですが柔道着に「青」が使われているため「見分けがつきにくい」点も理由に、結局3大会連続で「黄」と「赤」に落ち着いたようです。
また例えば卓球やバドミントン、バレーボールの会場もコントラストのある印象的な色使いでした。
卓球会場は「赤紫」の床に、卓球台は「緑みの青」と色が対照した組み合わせ。
バドミントン会場は互いに鮮やかな「赤」の床に「緑」のコートという補色に近い組み合わせ。
バレーボール会場は明るく鮮やかな「青緑」の床とトーンの違う「オレンジ」の組み合わせ。
画像提供:東京都
画像は平成31年1月時点のイメージ図。
コート外の鮮やかなブルーの部分は
今回のオリンピックデザイン装飾の「赤系」
カラーとなっています。
ちなみにバレーボールの規定に「コート内は明るくわかりやすい色でなければならない」とあるようです。
クリアな色分けが出来ていることで選手も判断しやすく、審判もジャッジしやすいという利点があります。
只、これらの会場のように色が離れた組み合わせは、鮮やかな色同士になるほど色のコントラストが強く色の境目が見づらくなってしまいます
こんな時役立つのが、配色技法の「セパレーション」です。
今回の卓球会場に似せた下記のイメージをご覧ください。
卓球台と床には高低差がありますが台の縁に白線が入っていることで卓球台がよりわかりやすくなります。
セパレーションとは色と色の間に入れて、配色全体を見やすく調整する色のことで使い方は2タイプ。
コントラストの強さをやわらげて見やすくする。
逆にぼんやりした、あいまいな配色を引き締めて調整する。
どちらの使い方も、あくまでも補助色として他の色を引き立てるための色なので白やグレー、黒の無彩色がよく使われ、他には低彩度の色を使います。
ポイントは「明度」(明るさ)の差をつけた色を選ぶことです
今回東京オリンピックの各競技会場に施されているデザイン装飾のカラーパレットも、とても日本らしさがあって素敵です。
「藍」・「紅」・「桜」・「藤」・「松葉」の伝統色5色が、十二単(じゅうにひとえ)に代表される色の組み合わせ「かさねの色目」にならって同系色でまとめられています。
今一度、今度はパラリンピックでチェックしてみてください。