東京医薬看護専門学校 IT医療事務総合学科 SDGSをテーマに国際教育を実施!CUDの学びを医療現場へ
2022.9.16
1979年に開校以来、時代と共に変化し、2023年度には、3つの学科が増設されるという躍進を遂げている学校です。
2022年度は、“SDGs”をテーマに、国際教育(国内国際性講座)の授業内容を構成されており、人の持つ“多様性”や“違い”に触れることで、医療人として、また医療事務の立場として人を受け入れ、支え、共生していく力と心を養ってほしいという目的で、IT医療事務総合学科の1年生を対象に、当協会が発信し続けているCUD(カラーユニバーサルデザイン)についての講義を特別授業として取り入れてくださいました。
授業では、メガネ型フィルターを通して、いつも自分が見ているものとは異なる別の見え方を体験します。
そうすることで、人の色の見え方の多様性に気づくことが出来ます。
そして次に「見え方の多様性」に対応した、「みんながわかりやすい色」を自分で考えてみます。
例えば、身のまわりでよく見かける施設のフロアマップのように色の違いにより区別しているものの色選びのワークに取り組むことで、さまざまな見え方の特性を考慮した、誰にでも区別がつきやすい「みんながわかりやすい色」を体験することができます。
今回は、さらに自分達で取り組んだ色選びのワークについて発表するということにも挑戦しました。
この授業プログラムには、カラーユニバーサルデザインを身近に感じてもらう、そこからより多くの人への理解や多くの人達と共生していくことへの気づきが生まれたら、そんな願いも込められています。
特別授業を受けられた学生の皆さんからは、
「人により色の見え方は違う、色の見え方の多様性について学べた」「人の色の見え方の多様性に対応したデザインについて学べた」の他、「学びの環境では、色の見え方の違いが不平等にならないことが大切だと思った」「将来、病院で働くようになったら色の区別が難しい人のことも考え、困っていたら助けられるような人になりたい」「色だけでなく模様などの要素も加えることで、たくさんの人にわかりやすくする事ができるということがわかった」など、これからどうありたい、どうすれば皆にとって良い環境づくりができるのかという「将来」に目を向けた感想もあがっていたのが印象的です。
わかりやすい色になったかな? | 皆で考えた「みんながわかりやすい色」色分けワークを確認中 |
特別授業の企画をご担当された田中 美月先生のお話
今の若い世代は医療現場でも教育現場でも共通して“SDGs”という言葉に自然と触れるようになり、至る病院でもそのための取り組みが推進されています。社会に出た時に、我々の置かれている立場や医療現場の課題を理解した上で働いてもらえるよう、今年度は“SDGs”をテーマに国際教育(国内国際性講座)の授業内容を構成しました。
今回CUDを取り上げたことについては、人による色の見え方の“違い”を学生自身に体感してもらい、ライフケアカラーやカラーユニバーサルデザインといったすべての人の心を豊かにする・生活の質を高める色使いを知ることで、医療事務としての立場に置き換えた時に“患者さまへの配慮”“多様性”を理解することに繋がると考えたからです。これもまた“SDGs”の「3.すべての人に健康と福祉を」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に共通することと思いお願いしました。
学生たちもただ座学をするのではなく、体感・経験することで色の見え方の違いに対する驚きや、日常生活の中で配慮されている事柄への発見につながったようでした。学生はまだ実際に医療現場というものの経験がないため自分が経験した以外のことをあまり知りません。感想では「大変だと思った」「困った時の支えになりたいと思った」という言葉がありましたが、知ることでそういった人を受け入れ・支え共生していく力と心が芽生えると改めて感じます。医療事務の知識以外に触れる科目として、とても効果的であったというように思いました。
特別授業 担当講師代表
J-color CUD(カラーユニバーサルデザイン) プロジェクトチームリーダー 尾本めぐみ
「色の見え方の多様性」をテーマにして、多くのことに気づき、みんなで一緒に考える時間を大切にして授業を行いました。医療現場のスタッフとして病院内の掲示物や書類作りに「みんながわかりやすい色」の考え方をプラスして、患者さまの気持ちに寄り添う温かい病院づくりへとつなげていただきたいと思います。
東京医薬看護専門学校
https://www.tcm.ac.jp/