大阪医療福祉専門学校様 特別授業「CUD」のご報告
2023.3.15
こんにちは。J-colorパートナーの乾宏子です。
2月14日に大阪医療福祉専門学校で
3時間の特別授業をさせていただきました。
今回の授業の目的 は、
① 色覚の多様性をどのように捉えるか
② CUDの活用について色選びを体験して学ぶ
です。色が私たちの生活の中でどれほど大切か、特に識別をする際には、
色は文字や形よりも優先することを簡単なゲームで理解してもらいました。
色覚については、これまでの授業ですでに学んでいる学生たちですが、
色覚タイプとその呼称については医学的な立場からは
「正常色覚」や「色覚異常」などと分け、
色盲や全盲などとも表現するようです
しかし一方で、正常と異常の二つの枠だけでとらえることは、
視能訓練士としてこれから患者と良いコミュニケーションを
とっていく立場としてどうでしょうかと問題を提議してみました。
色覚とは脳で作り出される感覚であり主観的な感覚です。
そのことを理解するために有名なドレスの画像で、
青と黒に見えるか金と白に見るかを尋ねてみると、
一般色覚者(CUDOでは一般色覚者、それ以外の人を
色弱者と呼んでいますので今回そちらの呼称を参考にいたしました)
の中でもいろんな見え方があることに驚いた学生たちもいたようです。
このように見え方には一人ひとり違いがあること、
その延長上にP型やD型と呼ばれる色弱者といわれる方がいることを
理解することもこれから求められる考え方だと理解した学生もいたようでした。
※CUDO:NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構
後半は6グループに分かれて色選びの体験ワーク
「ゴミ分別の色を考える」と「スーパーの陳列図の色を考える」をし、
実際に求められる配色を一人一人が考えました。
今回は認定講師の工藤真紀さんにも各グループを回っていただき、
学生たちのフォローをしていただきました。
5つのごみ箱の配色では、多くの生徒が「燃える」などの言葉から
イメージする色を選んでいました。
中には自治体で定められたごみ袋の色をイメージした学生もいました。
人によってイメージする色もさまざま、そこに個性を見出して
おもしろいという感想を残してくれた学生もいました。
そこには他者を尊重する気持ちが感じられて嬉しくなりました
次にフィルター式メガネを全員がかけて、
普段の自分とは違う色の見え方を体験しながら、
選んだ配色について区別ができるかどうか、
5つの色が同じように見えてしまっていないかどうかを確認後、
色を調節していきます。
ここでいろいろと苦労をした学生もいたようです。
多くの学生が、こんなにもメガネをかけると見え方が違うということを実感し、
色の見分けがつくように明度をかえたり彩度を変えたり、
またイメージと違う色にならないように少しだけ微調整したり、
赤と黒が同じ色に見えるので、赤を使わないようにするのではなく
黒を使わないようにしたという学生もいました。
そこには、全ての人に見やすいという配慮が感じられました。
一般色覚者と色弱者のどちらにも共通認識できるものにすることが
難しかったという感想もありました。
各グループでのディスカッションのあと、各グループから2名ずつ、
考えた配色について発表をしてもらいましたが、
その際も正常、健常や異常という表現ではなく
一般色覚者と色弱者という呼称で発表してくれていた学生もいました。
後日、学校からシェアーしていただいた感想では、
以下のようなものがありましたので、ご紹介させていただきます。
●人と見え方が違う=「異常」ではなく、一人ひとり違うということを理解することが大切
●色弱者の見え方に配慮した看板や案内マップが増えていくといい
●互いを尊重しあい、全ての人にとって過ごしやすい環境になるといい
●少しの工夫で見えやすくなることへの理解が進み、CUDが広まっていけばいい
●多くの人に色弱についての理解が深まるといい
●今後の実習では色弱者でもはっきり色の違いが分かるようになっていくことに注目したい
●将来、視能訓練士になった時に「〇色が見えない」とは言わないように気をつけたい
●色が見えないことを否定するのではなく、患者には伝え方に気をつけたい
皆さんの視能訓練士としての今後の活躍が楽しみです。ありがとうございました