一般社団法人 日本カラーコーディネーター協会[J-color]

一般社団法人日本カラーコーディネーター協会

 
 

TES会東日本支部セミナー[1] 「はじめてのCUD」のご報告

2023.4.18

こんにちは。J-colorの小島です。
1月18日(水)、3月16日(木)と2回に渡り、
「繊維製品品質管理士会(TES会東日本支部)」様にて、
色のセミナーを開催させていただきました。

「繊維製品品質管理士」(TES:Textiles Evaluation Specialist)は、
一般社団法人日本衣料管理協会の実施するTES試験に合格した
繊維製品のスペシャリストです

消費者に供給される繊維製品の品質の向上・性能の向上を図り、
消費者の信頼確保に取り組む専門資格で、
取得された方は製品の製造・販売を行う企業等で活躍されています。

TES会東日本支部は、繊維製品品質管理士の皆さんが、
企業間・業種の壁を乗り越えて連携を図り、
品質情報や消費者情報を交換し、企業と消費者の信頼関係の
改善・問題の解決を見出すべく活動を行なっている組織です。

1月18日(水)の回は、カラーユニバーサルデザインをテーマに
「CUDセミナー」を開催しました。
「色の見え方の多様性」と「CUDの活用」について知っていただくこと、
そしてビジネスにおけるSDGsへの取り組みの一つとして、
まずはCUDを体験していただくことを目的に行いました。

当日は100名を超える繊維製品品質管理士の皆さんに
ご参加いただきました

さまざまな業種の会社・組織に所属されており、
業務内容も多種多様、キャリアも幅広い方々ですが、
色の見え方についてご自身の身近にあることとしてとらえていただき、
それをビジネスでどのように取り組むのかを
考えていただくきっかけにしていただきました

メガネ型体験フィルターで、
日常にあふれる色弱者が「見分けにくい配色」の実例を見てみると、
予想以上に区別がしにくいことに驚きの声があがります。

今まで、違う色相を使って見分けやすくしようとしていた配色が、
メガネで見るとほぼ同じ色に見えたり、
多くの色を使ってカラフルにすることがかえって区別しにくくなっていたり、
初めて実感する色の見えがあったようです。

そのような配色は、色弱者だけでなく多くの人にとって
分かりにくいのだということも体感していただきました。
近くで見ればわかるけれど、遠くから見ると文字が読みにくいといった経験は、
私自身、年齢的に感じる場面も増えたので、そのような事例も共有しました。

体験カラーワークでは、「スーパーの陳列の色分け」を行いました。
メガネをかける前の色分けと、かけた後の色分けは、
実際かなり違っていて、そのことにまず発見があります。
メガネをかけて色を選ぶと、今までは選ばなかったような色に意識が向いて、
新しい色の見せ方を考える可能性が広がります。


陳列の色分けは、フィルター式メガネをかけて何度も微調整をします

私たちが色を選ぶときは、やはり自分の見えをもとにしますし、
見分けやすさよりも色のイメージで決めることも多いです。
でも、見分けやすさが重要になる場面では、
できるだけ多くの人に情報を正しく伝える必要があり、
そこでの色の役割は大きいので、個人の認識だけでなく、
企業としての取り組みに意識を広げていくことが大切になってきています。

身のまわりにあふれる繊維製品の商品の表示が
見やすい・説明が読みやすいことなどは、
高齢化が進む社会でますます大切になってくると思います。

参加者の感想

●すのきれいさだけで色選択することが多いので、
視認性の観点で見ると色々な見え方があり興味深かったです。

●同一のものを見ているのに、同じ見え方をしていないという事を
カラーワークを通して実感出来ました。

●メガネでちょっとチェックするだけでも、色選びの考え方が大きく変わると思いました。
仕事でもメガネを活用しようと思います。

●色弱などについて知らなかったわけではないですが、
実際それを意識して仕事をしたことはありませんでした。
色の見えを共有するのは難しいですが、今後は気にするようにしたいです。

最後に、株式会社フクイ様の「いろポチ」についてご紹介させていただきました。


いろポチ特設サイト

TES会東日本支部会員である株式会社フクイの黒田様にもご参加いただき、
CUDに関わる具体的な製品の実例として、資料とともにご紹介させていただきました。
その取り組みの姿勢と、実際の商品にも興味が集まりました

多くの皆さんとカラーワークを通して色の見えを共有し、
カラーユニバーサルデザインをビジネスで活用することを考える今回のセミナーは、
私自身も学びの多い貴重な機会になりました。
TES会東日本支部の皆様、参加してくださった皆様、ありがとうございました

次回は、3月16日に行なったパーソナルカラー入門についてご紹介します