3/15 CUDエデュケーションセミナー 「色覚検査を実施して見えてきた問題点と対策 」
2025.4.17
皆さん、こんにちは J-colorの桑野です。
去る3月15日にエデュケーションセミナーが開催されました。
このセミナーは、C U D(カラーユニバーサルデザイン)に興味がある方でしたら
どなたでも気軽にご参加いただけるオンラインセミナーです
今回は、江戸川区医師会副会長であり、眼科学校医でもある田中寧先生をお招きして
「色覚検査を実施して見えてきた問題点と対策」についてお話をいただきました。
学校における色覚検査は、
2003年3月に定期健康診断の必須項目からは削除されましたがその後
学校での保健調査について、色覚 に関する項目の追加など、
2016年に取り扱いの見直しが行われました。
ですが、プライバシーの問題などもあり、
現在では、色覚検査を希望者のみに限って行うなど
実施のされ方は地域、学校によって違いがあります。
学校の色覚検査がきっかけとなり、眼科受診 が行われても
その結果が、学校に共有されず、十分な配慮がなされないまま
学校生活を送るというケースもあるようです。
田中先生には、児童の学校生活での見えづらさや、わかりにくさに関すること、
養護教諭が感じている問題点、チョークなどの学校環境に関する問題点など、
異なる立場で感じている最新のアンケート結果をお持ちいただきました。
その結果から、色覚検査の必要性や、参考となる資料の存在については、
小・中学校共にかなり理解されているものの、
学校現場でのカラーユニバーサルデザイン化については、
まだ充分に浸透しているとは言えないという状況が見えます
我々、色を扱う仕事の中で、「色覚の多様性」に対して
どのように伝えていくと良いのか、授業を行っていくと良いのか、
その対応について非常に考えさせられた時間でした。
「色覚の多様性」に関しては、プライバシーという点以外にも
問題点は色々考えられると思います。
ですが、自分の色覚異常を知らないままですと、
生活上様々な不利益を被る場合もあります
「自分の色の見え方について知る」ということは
生活をしていく上では必要で、自分を大切にすることでもあるのではないかと
個人的には感じました。
新年度がスタートし、新たな学校生活を送る児童、保護者の方、学校関係者の方が
多くいらっしゃると思います
皆が安全に快適に毎日を過ごすために、
それぞれが連携してそのような環境づくりを行えると良いと思います
〜受講者アンケートより抜粋(印象に残ったお話と感想)〜
●学校眼科医、養護教諭、教員、家庭と色覚に対する
理解や配慮、取り組みなど合意形成が難しい点です。
●「遺伝パターン」と「色覚チョークについての測色から学校現場での取り入れ方」
遺伝によることは知っていましたが、遺伝パターンを示して
説明していただいたので理解が深まりました。
●学校現場での色覚検査推移と現場での対応詳細や課題、医療機関への引継がれ方、
調査対象が児童であるがための注意点、 調査を継続していくことの重要性や
地域差、就業におけるハードルなど。
●「感性を自然に受け止める」が心に響きました。
●色覚検査実施と検討会の様子。 色覚検査の実情を知ることができて良かったです。
検査実施に至るまでには、自分が思う以上に慎重な検討が
重ねられていることが印象に残りました。
●検討会で養護教諭、学校眼科医、それぞれの立場の意見が興味深かったです。
●学校関係者のための色のバリアフリー。
周囲の対応の仕方は、大変参考になりました。
自分の授業でも活用したいと思いました。
田中先生、この度は、貴重なお話をありがとうございました